まず、宮﨑氏がCipherCraft/Mail 8に惹かれた理由は、クライアント型製品のため、PCへのインストールのみで利用でき、メール送信者自身がポップアップで誤送信対策を行える点である。クラウドサービスではポップアップでの誤送信防止ができないケースが多いため、誤送信に気づきにくく、クラウドサービスが得意とする上長承認や一時保留は、ユーザへの負担を強いる形になる。CipherCraft/Mail 8ではメール送信直後にポップアップで誤送信防止画面が表示されるため、ユーザへの負担感が少なく、誤送信防止のための確認作業に集中できる。
「求めていたものはまさにこれだったなと。もう、即決でしたね」そう語る宮﨑氏はとても満足げだ。
さらに宮﨑氏がCipherCraft/Mail 8を評価している点は、低価格であるためコストパフォーマンスが高く、新しいOutlookに移行してもそのまま使用できるという点。選ばない理由はもはやなく、すぐに社内に持ち帰って提案した。
日鉄エンジニアリングは、かねてよりメールの誤送信対策を課題に感じており、CipherCraft/Mail 8はニーズとソリューションが見事に一致し、提案は短期間で採用された。
2024年11月、約1,400名の社員と、グループ会社の日鉄パイプライン&エンジニアリング株式会社にも導入され、グループが定めるメールの誤送信対策レベルにおいて一気に最高レベル(対策ツールで常時監視ができる状態)まで引きあがった。
操作方法については、CipherCraft/Mail 8のチラシの一部分を切り取ってグループウェアで共有したのみだが、未だ操作に関する問い合わせは0件。そのわかりやすさから、どの従業員もすぐに慣れることができた(下図)。研修する手間さえ要らなかった。
さまざまなメールの誤送信対策ソリューションがある中で、日鉄エンジニアリングは「そもそもメールを送り間違えないように気をつける」という根本的な意識を徹底している。CipherCraft/Mail 8はその考えにマッチしており、誤送信をとことん“気づかせる”ツールだ。

特筆すべき点は、メールを送信する前に表示されるポップアップ画面の見やすさ。注意すべき宛先や項目を赤・黄で表示し、直感的に確認すべき項目が分かりやすくなっている。見るべき項目を優先付けて表示してくれた方がミスを防ぎやすいうえに時間短縮にもなる。
そのうえ添付ファイル内をチェックする機能もある。エクセル書類に非表示リストが含まれていた場合は「非表示箇所あり」という警告が追加され、内容に機密情報などが含まれていないか注意喚起する。この機能には、現場の社員からも感謝の声が上がった。
システム管理者の視点からは、注意すべき項目を増やしたいときもスピーディーに反映させることができるのも魅力だ。
「ある社員から『メールそのものを添付したメールにもチェックを入れるようにしてほしい』という声が寄せられたのですが、一括管理用のマスターファイルを使って、それこそ“秒”で設定を変更することができました」と、満面の笑みで宮﨑氏は語る。
間接的に業務の効率化にも貢献していると考えている。確認のポップアップが表示されることで、不要なメールを送信しないようにする意識が芽生え、業務の効率化や情報漏えいリスクを下げることにつながっているのではないかと考える。メールの誤送信対策の枠を超え、仕事との向き合い方をよりスマートにするきっかけにもなって
いるのではないだろうか。